<東京> ドル円、一目均衡表の雲の中へ

前週末のNY市場では、ドル円が買われる展開となった。日銀による追加の金融緩和策が意識される中、日欧株価の上昇を背景にじりじりと円安が進んだ流れを引き継いで始まった。米労働省が発表した2月米雇用統計が予想より強い内容だったと伝わると、円売り・ドル買いが膨らんだ。米国株や米長期金利の上昇も相場の支えとなり、一時2月23日以来の高値となる90.60円まで値を上げた。ローマーCEA委員長が、雇用統計の結果について「大雪の影響がなければ雇用は増加していた公算が大きい」などと述べたことも好感された。また、ドル円の上昇や株高を受けて、クロス円も堅調だった。ユーロ円は一時123.34円、ポンド円は137.06円、豪ドル円は82.31円まで値を上げた。本日の東京市場では、8時50分に1月国際収支速報、2月マネーストックM2、14時に2月景気ウオッチャー調査が発表される。市場では、予想を上回る米雇用統計の結果を受けた日本、アジア株相場の動向に注目が集まっている。ドル円は、日銀による追加の金融緩和観測が相場の支えとなる半面、年度末要因に絡んだ円買いの思惑が相場の重しとなる公算が大きく、神経質な展開が想定される。市場関係者からは「一目均衡表の雲に入り込んでおり、テクニカル的にも動きづらい」との声が聞かれた。なお、米商品先物取引委員会が前週末発表した2日時点の建玉報告によると、CMEの通貨先物市場で投機筋の円・ロングポジションは32552枚と昨年12月11日以来の高水準となった。

<欧州> 要人発言に注目

本日の東京市場では、ドル円は頭の重い展開となった。朝方は、クロス円中心に買いが強まったことから先週末の高値90.60円を上回り、一時90.69円まで値を上げる場面もみられた。ただ、3月期末決算を控えた本邦輸出勢の売りや、利食い売りに押され次第に上値の重い展開となった。午後に入ってからは、日経平均が引けにかけて200円以上上げ幅を広げたものの、ドル円は90.40円を挟んだ小動きに終始した。クロス円は全般堅調に推移。ユーロ円は一時123.80円、豪ドル円は一時82.50円の高値まで値を上げている。欧州市場では、17時15分に1月スイス小売売上高が発表される。また、20時には1月独鉱工業生産が予定されている。ユーロドルは、アジア時間に先週末の高値1.3631ドルを上抜けて一時1.3693ドルまで買い進められたものの、市場参加者からは「1.37ドル台には断続的に売りが観測されており、戻り売り意欲も強い」との声も聞かれており、神経質な動きとなりそうだ。また、国際決済銀行(BIS)総裁会議がバーゼルで開催中とあって、相次ぐ要人発言には注意したいところだ。

<NY> カナダ住宅着工件数に注目

本日の欧州市場ではドル円、クロス円は軟調。時間外のダウ先物が上げ幅を広げたことを材料に欧州勢からクロス円の買いが先行したが、ユーロ円に国内輸出企業からと見られる売りがまとまって出ると、クロス円全般が売りに押された。時間外のダウ先物が小幅ながらも下げに転じたこともリスクポジション解消目的の売りを誘い、ユーロ円は123.06円、ポンド円は136.51円、スイスフラン円は84.10円とそれぞれ本日安値を付けた。クロス円の売りに連れる格好でドル円は90.15円まで一時下げた。ニューヨーク市場では22時15分の2月カナダ住宅着工件数の発表がある。予想では19万件となっている。本日は米経済指標の発表がないため感応度が高そうだ。また、22時からバーカー英MPC委員が講演を行う。追加の金融緩和に関する発言に注目したい。その他、ユーロスイスフランが本日安値1.4628スイスフラン付近で張り付いたままとなっているが、「先週SNBの介入があったと見られる水準であり、いつ介入があってもおかしくない」との指摘があった。ユーロドルやドルスイスフランに影響を及ぼす可能性があるため注意が必要だ。